塗料の選び方

外壁塗装の種類と特徴をどこよりも分かりやすく解説

外壁屋根塗装を考えるときに、どの塗料を選べば良いのか、さっぱりわからない方向けの記事です。
各社の塗装プランを見ても、知らない商品名ばかりが並んでいて、他社との違いが分からないという方が
大半だと思います。

塗料は機能や仕上がりの見た目などが異なり、国内メーカーの品だけでも数え切れません。
決して安い金額ではないため、自宅にぴったり合った、ベスト塗料を慎重に選べる知識を身につけましょう。

この記事では、屋根や外壁に使用される塗料を、6つの分類から分かりやすく解説しています。同時に、塗料を選ぶ際のポイントも紹介しており、これらを確認することで、自分に合った塗料を絞り込むことができます。ぜひ実践してみてください。

最後に、実際に塗装を行った人たちがどのように塗料を選んだかについての実例も紹介しています。
自分と同じような考えを持つ方がいれば、参考にしてみると良いでしょう。

全体を通して記事を読むことで、塗料の種類についての理解が深まり、あなたの家に最適な塗料を選ぶ手助けになることでしょう。最高の塗装工事にするために、ぜひじっくりとお読みください。

塗料の種類とメリット・デメリット・価格相場の一覧表

まずは塗料の種類(グレード)と、メリット・デメリット・価格相場を把握しましょう。

上記からわかる通り、塗料にはアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・ラジカル塗料・フッ素塗料・無機塗料の6種類があり、それぞれ耐久年数が高くなるにつれて、外壁・屋根塗装の費用相場も高くなる傾向にあります。

各塗料の特徴

アクリル塗料

  • 特徴: 耐久性があり、劣化しにくい。水性のため、臭いが少なく、環境に優しい。
  • 用途: 屋外や屋内の広範な用途に使用される。外壁や屋根、木材などに適している。

アクリル塗料の利点は、低い費用(1,200~1,800円/㎡)で外壁の塗り替えができること。また、発色が良く、豊富なカラーバリエーションが利用できます。歴史のある塗料で各メーカーからさまざまな種類が提供され、DIYにも適しています。

安価ではありますが、耐久性が低く(耐久年数も短い)、汚れやすく、紫外線に弱く、湿気を通しやすいなどの特徴があるため、本来は外壁や屋根などの塗装には不向きな塗料です。最近では、より高機能で経済的な塗料が多く登場しており、そのため外壁塗装での使用は減少しています。

ウレタン塗料

  • 特徴: 耐候性や耐摩耗性に優れ、美しい光沢があり、色持ちが良い。
  • 用途: 車や船、家具などの表面塗装によく使用され、外部への耐久性が求められる場面に適している。

密着性や柔軟性があり、ヒビ割れにも強いです。ただし、安価な反面、耐久年数が短く、紫外線には弱い傾向があります。また、扱いが難しく、湿度や気温の変化に敏感です。特に2液型は硬化不良のリスクがあることに留意が必要です。油性の場合は艶の調整が難しく、塗り重ねると光沢が増すことがあります。防汚性も弱く、特に弾性塗料は汚れが付きやすいのが特徴です。

シリコン塗料

  • 特徴: 耐候性に優れ、紫外線や雨に強い。防水性が高い。
  • 用途: 外壁や屋根、コンクリートなど、耐候性と防水性が求められる場所に適している。


塗料は耐汚染性に優れ、雨や汚れに強く美観を維持する特徴があります。また、光沢保持が高く、長期間にわたり艶が持続します。コストパフォーマンスも良く、価格と性能の調和が魅力的です。従来の主流であるウレタン塗料と比較しても、価格はやや高めですが、耐久年数が長く、建物の美観に重点を置く人に適しています。

シリコン塗料はアクリルやウレタンと比較して高価であり、その価格差は上位のフッ素塗料や無機塗料とも異なります。シリコン含有率の低い塗料は耐久性が低くなりがちで、メーカーの確認が必要です。硬い塗膜を持つ一方、シリコンは他の塗料と比べて弾性が低く、外壁のヒビ割れに対応しきれないことがあります。外壁の素材によっては弾性塗料の選択が適していたり、2液型の場合は硬化剤の変更で問題を解決できますが、適切な選択とメーカーの確認が重要です。

フッ素塗料

  • 特徴: 耐候性が非常に高く、汚れがつきにくい。光沢があり、美観が維持される。
  • 用途: 建物や橋梁、屋外の金属製品などに使用され、高い耐候性が要求される場面で適している。

フッ素塗料を選ぶ主な利点は、卓越した耐久性にあります。耐熱性や親水性、防水性など、外壁に理想的な特性を持ち、塗装寿命が著しく延びます。フッ素塗料の塗膜は美しい光沢感を持ち、外壁を長く新築のような美しさに保ちます。そのため、経年での劣化がほとんど見られません

フッ素塗料の不利な点は、高価なことです。1平方メートルあたりの費用相場が、ウレタン塗料やシリコン塗料と比較して高額です。また、フッ素塗料の外壁材の動きに追従する性質が弱く、固い塗膜は横に伸びにくいため、外壁にヒビが入ると同時に割れる可能性があります。ツヤのない製品がないため、和風建築物や周辺環境との調和が難しい場合もあります。

無機塗料

  • 特徴: 無機鉱物が主成分で、耐久性が高く、防カビ・防藻性がある。
  • 用途: 主に外壁や屋根など、耐久性や防カビ性が求められる場所に適している。

高い耐候性があり、屋外使用時の紫外線などによる劣化や変形・変色の防止します。無機塗料は紫外線に強く、石やガラスのような変質しにくい特性があります。また、無機塗料は汚れにくい特徴があり、親水性により雨水で汚れを洗い流し、静電気の発生を抑制し、防カビ性・防藻性も優れています。さらに、無機塗料は燃えにくい性質もあり、外壁に使用することで家を火災に対して強化できます

無機塗料のデメリットは、硬質で柔軟性が不足し、外壁ひび割れ時に塗装もひび割れのリスクがあること、完全なツヤのない状態が得られず、ツヤを消すと耐候性が低下する可能性があり、また、塗れない素材や箇所があり、現時点では木製の軒裏や屋根などには使用できないことなどがあげられる。

塗料の選び方~壁材別で選ぼう~

窯業系サイディング

  • 窯業系サイディングは、陶器やセラミックスなどの焼成された素材から作られています。
  • 耐久性があり、耐火性があるため、火災に対する安全性が高いです。
  • 色やデザインの選択肢が豊富で、外観にバリエーションを持たせることができます。

金属系サイディング

  • 金属系サイディングは、アルミニウム、スチール、亜鉛メッキ鋼などの金属から作られます。
  • 軽量でありながら強靭で、耐久性があります。耐腐食性も高いです。
  • モダンで洗練された外観を持ち、メンテナンスが比較的容易です。

樹脂系サイディング

  • 樹脂系サイディングは、主にビニールやポリプロピレンなどのプラスチック素材から作られます。
  • 軽量で取り扱いが簡単で、耐久性があり、防水性も高いです。
  • カラーバリエーションが豊富で、木材などの外観を模倣したものもあります。

木質系サイディング

  • 木質系サイディングは、天然木や合板などの木材を使用しています。
  • 自然な風合いと温かみがあり、外観が自然環境に調和します。
  • メンテナンスが必要で、防水処理や塗装が定期的に必要です。

モルタル

  • モルタルはセメント、砂、水などからなる混和物で、壁や外装に使用されます。
  • 強度があり、耐久性があります。表面仕上げによって様々なテクスチャが実現可能です。
  • 建築構造の一部として使われることが多いです。

タイル

  • タイルはセラミック、陶器、ガラス、天然石などの材料から作られます。
  • 耐久性があり、耐火性が高い。さまざまなデザインや色があり、美観を重視する場所で使用されます。
  • メンテナンスが比較的容易で、清掃が主なケア方法です。

ALC

  • ALCは軽量コンクリートで、セメント、石灰、シリカ砂などの成分からなります。
  • 断熱性があり、軽量かつ強度があるため、建築材料として使用されます。
  • 耐火性もあり、一般的に住宅や商業建築の外壁などに利用されます。